6/29 なぞのディナーパーティーへ2
こんばんは!itoです。
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なぞのディナーパーティーへ2
手入れの行き届いた芝生が続く
小高い丘の上にそのレストランはありました。
大きくはないものの、
普段はちょっとした宿泊施設も兼ねているのだとか。
「やあ~やあ、おまたせ。
オイレンホフ一行の到着だよ。」
顔なじみらしい支配人らしき人に挨拶をすると
マルクスは予約席と書かれたテーブルへと
歩いていきました。
ウリやミヒャエル、
雇われ社員のアンドレアにリディア、
と一向はぞろぞろと後に続きます。
わたしはソフィアの後ろにつき、
その流れで着席したので
彼女の隣に腰を下ろしました。
各々が飲み物をオーダーし
さっそく前菜が運ばれてきました。
目を見張る美味しさだったのが
カレー風味のクリームチーズです。
何枚ものバケットに塗って食べました。
メインは
モッツァレラを忍ばせたポテトガレットに
トマトとバジルソースを添えたもの。
「ベジタリアン仕様よ。
そしてうちの野菜が使われているの♪」
アルコールが入っているからか
いつもより陽気に、そして誇らしげに
ウリが説明してくれます。
「…で、日本だとどうなんだ?」
ふいに遠くの喧騒に混ざっていた
マルクスの声がこちらを向き
わたしに問いかけます。
質問は宗教についてでした。
あまり詳しくなかったわたしは
「日本には多くの神様がいるの。
信じたり信じなかったり
人のスタンスもわりと自由だと思う。」
と、曖昧に答えることしかできず
ふと
「海外行くなら日本の勉強しときなよ~」
という友人の声がよみがえりました。
隣に座ったソフィアとは
片言のドイツ語ながらも
・ここでの生活はもうすぐ1年になること
・ここを出たら獣医の道に進みたいこと
・動物を殺すことに反対だから
ベジタリアンであること
を教えてもらいました。
デザートには
ルバーブを甘く煮たものと
さっぱりとした柑橘風味のソルべ、
大胆で贅沢な量のティラミスが
細長い器にお行儀よく並べられ
出てきました。
・・・
「ほんと~~~~~~に
おいしかったね!!」
お店を出ると一向はしばらく
みんなで過ごした素敵な時間について
感想を述べ合い、
やがてもと来たメンバーに分かれて
車に乗り込みました。
日本の宗教かあ…
やっぱちょっと勉強しよう…
頬杖をつき、ぼんやりと
流れていく夜の町並みを目で追いながら
そんなことを思う帰路なのでした。