6/29 なぞのディナーパーティーへ1
こんばんは!itoです。
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なぞのディナーパーティーへ1
「ito~。支度できた?」
1日の作業が終わり、
シャワーを浴びてさっぱりしたわたしが
農場のパンフレットの翻訳を進めていると
リディアがリビングに顔を出しました。
「うん、今日はディナーなんだよね!」
お財布を持ち、席を立ちます。
外に出ると車が2台停まっていました。
よかった、ナンバープレートがついてる…
ひとつはマルクスとウリの自家用車、
もうひとつは出荷などに使う営業車です。
「さーあ、乗った乗った!」
マルクスが運転席の前に立ち
腰に手を当ててメンバーに召集をかけていました。
少しかしこまったドレスを身にまとい
いつもとは違う香りを漂わせる
アドリアーナの隣に乗り込もうとすると
「はい乗った乗った!」
とダテ眼鏡をかけたニアが
後ろからわたしを急かし、隣に座りました。
シャツを着たルーカスは運転、
助手席には
シックなタンクトップ姿のソフィアがいます。
わたしはというと
こっちのH&Mで手に入れた灰色の無地のTシャツに
昔から気に入って着ている紺のロングスカート。
あれ、けっこうお堅いごはん会なのかな?
ドレスコードとか大丈夫?
わたしの不安をよそに
「レッツゴー!」
と、嬉々としたニアの叫び声を合図に
車は進み始めました。
「くっそ腹減ったよまったく…」
「どんな料理なんだろうね!」
「てかこれなんのお祝いなの?」
「実際のところ…知らねえな。」
ウーファーメンバーのそわそわした様子に
わたしの口角も知らず知らずのうちに
上がっていくのでした。